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あさのひとりごと

3日坊主にならないように、全力を尽くします。 記事は個人のひとりごとです。所属する組織の意見を代表するほど、仕事熱心じゃないです。

【書評】[改訂新版]プロのためのLinuxシステム構築・運用技術 を読みました!

何の話かというと

クラウドが世の中に浸透して、だれもが気軽にLinuxを触る機会ができました。
ほんとうに素晴らしい世界です。

というわけで、9/22に発売の
[改訂新版]プロのためのLinuxシステム構築・運用技術 (著)中井 悦司さん
を読ませていただきました。


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本書の「はじめに」の抜粋です。


今、この文章を読んでいる皆さんは、何らかの形でLinuxサーバーの構築、運用にかかわっている、もしくは、かかわろうとしていることでしょう。お客様先ではじめてLinuxサーバーを構築した時、インストールメディアからサーバーが起動せずに途方に暮れた経験はありませんか?導入が終わってバックアップを取ろうとしたら、どうしてもテープドライブが認識せずにマシンルームで一夜を明かしたことはありませんか?お客様から、サーバーの障害の原因を調べるように突然依頼されて、お客様の視線を背中に感じながら、震える手で、何度も同じコマンドを叩いたことは?問題を解決しようと思って、設定ファイルを修正していく間に、どこを修正したかもわからなくなってしまいその場から・・・・・

この「Linuxサーバー」を「商用Unixサーバー」に読みかえると、まさに昔の私、、、、
そして、わたしと同じような人は、たくさんいるかとおもいます!!!
そういう方に、ぜひ読んでいただきたいなと思います。

初版から変わった部分として、RHEL7対応、systemd!などがありますので、初版を持っている方もぜひ買いなおしましょう~!

というわけで、章ごとの紹介は次の通りです~。



1章:Linuxサーバーの構築
1章は、ハードウエアやOS起動のしくみ、GRUB2のしくみ、実際にインストールする手順がとてもわかりやすく説明されています。わかりやすいだけでなく、「なぜ、そうなるのか」「○○という理由で▲▲したほうがいい」という記述がたくさんあって、1章とは思えないほど、読みごたえがあります。あと、RHELのキックスタートによる自動インストールに関する説明があります。ネットワーク経由でのインストールを理解するうえで必要な、ネットワークの知識やDHCP/TFTPサーバなどの知識もきちんと解説されています。



2章:Linuxサーバーの運用の基礎
2章では、なんと、Linuxサーバーの運用に関する説明があります。しかも、50ページ以上も!もうこれは、、、すごいとしか!

なにがすごいかというと、、、2点あります。
まず、1点目は、、
Linuxに限らず、システム基盤に関しては、構築も大事ですが、いかに優れた運用のしくみを考えてまわすが、安定稼働のカギになります。が、運用というのは、そのシステムのもつミッションクリティカル度合いや企業文化などに依存します。よって、書籍に「一般的な話」として語ることが非常に難しいため、ぼやっとした抽象的な話をのせるにとどまるケースが多いのですが、非常に体系だって分かりやすく整理されています。

2点目は、、、
書籍の構成上、設計=>構築=>運用という時間の流れに沿って書くほうが、読み手にとってわかりやすいため、運用は最後の章などに置かれることが多くなります。が、前述したように運用をふまえたうえで、設計・構築しないと、いろいろ詰む、、、というのがきちんと見えてるホンモノの編集者の方なんだなぁということが分かりました。すごい。



3章:Linuxのストレージ管理
3章では、Linuxのストレージに関する説明があります。まずSANの詳細についての説明、つづいてLVMの詳細についての説明があります。ここでは特に、Device Mapper Thin-Provisioningの説明は大変分かりやすかったです。Dockerを理解する上では、dm-thinはきちんと勉強しておかなければならないのですが、ブロックプールと論理デバイスの関係が図できちんと説明されています。



4章:Linuxのネットワーク管理
4章では、Linuxのネットワークのしくみに関する説明があります。IPアドレスイーサネットフレームの構造など基礎からはじまり、ルーティングに関しての説明があります。つづいて、ネットワークアーキテクチャーとしてスイッチの二重化とVLANについての説明があります。それらを理解するうえで必要になるSTPやHSRPやVRRPなどのしくみが解説されています。Linuxで設定する手順もありますので、手を動かしながら確認できます。最後にソケット通信に関する詳しい説明もあります。



5章:Linuxの内部構造
5章では、これまでとはことなり、Linuxの内部構造がどうなっているかの説明があります。例えば、プロセス管理やメモリー管理のしくみ、ファイルシステムのしくみなどです。ものすごく濃厚な内容です。私の頭脳ではすべてをきちんと理解できないのですが、図が多用されているので、「なるほど、こんな感じなのね!」というのがわかるだけでも、世界の見え方が大きく変わると思いました。



6章:Linuxサーバーの問題判別
6章では、システム障害時におこなうべきことが具体的に解説されています。ログの確認方法やカーネルダンプの取り方、パフォーマンスの問題判別などがまとめられています。この章は、必見です!

ここは初版から変わっていない部分なのですが、6章の冒頭に書かれている、サーバーで問題が発生した時に最初にすべきこと、、、、を読んで、涙がとまらなかったのを思い出しました。ずっと、エンタープライズシステムに携わってきたので、言葉にはできない、いろいろな想いがありますね。



本書を通して感じたことですが、
「解説が、とにかく深い!」
です。
中井さんの本は、本書にかぎらずご自身の体験をもとに執筆されているんだろうなということが、伝わりますし、その体験から得た知識がいずれも尋常じゃないほど深いというのが、本文だけでなくコラムからもひしひしと伝わります。

ちなみに、私は業務でLinuxサーバーを一度も触ったことがありません。出産後にこれらの本を読んで独学で勉強しました。
もともと商用Unix系でしたが、出産で離職してしまったのでSPARCサーバーを自宅に買って勉強するわけにもいかず・・・

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Linuxは、オープンです。また、クラウドの登場により、ハードウエアの制約からも解放され、勉強したい!と思っている人、たとえば女性でも主婦でもお母さんでも、どんな人でも平等にチャンスが訪れました。

インフラ技術は「やってみないとわからない」ことばかりですが、やみくもにやったからといってわかるわけではないので
なにごともきちんと理解しながら手を動かしたいという人におすすめの本です~。

書籍は9/22より発売中です!!!!
中井さん、ありがとうございました!